富士フィルムのあれです。レンズ付きフィルム。小6だか中1だかそのあたり、興味本位で買ったものでした。当時は1400円くらいだったかな?それが今は2000円ですよ、いやはや世知辛い。
初めてのフィルムでした。撮ってもその場じゃわからなくて現像に出さなきゃいけない、ということがまったく新鮮で、わくわくしながら10枚20枚と撮っていって、27枚撮り終える頃にはその熱も消え失せ...カメラのキタムラで現像代1700円とかデータ化何百円とか、「うわ、高すぎ」みたいな冷めた感想と共に四年くらい棚に仕舞って忘れていたのです。
懐かしい...
四年も後、高校二年になってから、部屋の掃除をしていた時にふと思い出して、せっかく片付けたのにみんなひっくり返して散らかしながら探し、ついに発見した写ルンですを手元にどこか安い現像屋さんはないかと探します。
「カメラはスズキ」という店がどうやら安いぞ。現像とデータ化のセットが1350円、しかも学割でもうちょっと安くなるなんて、こりゃ決まりだ。
そうして見つけた店に持ち込んで現像とデータ化をしてもらって、ああ、そういえばこんなの......撮ったっけなぁ、とか
吉祥寺なんてどれくらい行ってないだろう、とか...
懐かしいというより覚えてないの方が大きいながら、初めてのフィルムで撮ったのをを四年越しに眺めておりました。
思い出の色とはとはよく言ったものですね。確かにこんな色のような気がします。
でも、昼間の外は意外とまじめな再現。というより、この色調を基準に作ってるんでしょうか。それにしてもピシッと写るもんですねぇ
暗い室内のストロボはフィルムの雰囲気によく合います。この拙い感じ、デジタルでは出せません。
ちょっとびっくりしたんですが、歪曲収差が非常に少ない。一群一枚のプラレンズでどうしてこんなに、と思って分解してみたのですが、露光時にフィルムを押さえつけておく台座(圧着版)が湾曲していて、その湾曲具合がレンズの歪曲収差を相殺しているらしいのです。ややや、これはよく出来ている。富士フィルムの職人気質が見えますね。