夜の駐輪場にて
撮ってから四年越しに写ルンですを現像して、フィルムの写りというのはこんな感じか、というのが何となくわかったところです。いやぁ、これは良い。フィルムを触りたくてうずうずしてきます。
そんな折に父が、またしても買ってすぐに使わなくなったものだと言って、このカメラをくれました。小さい頃、物置の中は使わないものがぎゅうぎゅうに詰まっていて、そこにきゅっと収まってぼんやりするのが好きだったのですが、その時たまたま見つけたものと同じカメラでした。納戸にあったやつではないかと聞くと、「買ってから十何年かずっと物置に置いておいたからそうかも」と。
そんなことァ置いといてですね
これがまあ珍妙なカメラなんです…まず画角が異様に広くて、10mmの単焦点。度数法でいうと170°です。これだけ広いと湾曲収差どころじゃなくもはや魚眼となり、パースペクティブが凄いことに。我が家の庭はたいして広くないはずなのですが、こう撮ると大冒険してるみたいです。我が家の猫にとっては本当に大冒険なのでしょう、でも毎朝毎晩外に出せ玄関を開けろと泣き散らすのはやめてほしいのですが...
逆光を入れてみると、おそらくプラ製レンズ由来であろう特徴的なフレアが出ます。入れたフィルムはスペリア400、絞りとssは固定でそれぞれf8と1/140ですから、適正露出かどうかあまり考えず何でも撮れますが、こんなに強烈な逆光にも耐えるとは思っていませんでした。
そうそう、古い上に保管状態も良くはないので仕方ないとはいえ、これは酷い。他のもやや感光してますが、ここまでのは中々無いです。劣化したシャッター幕の隙間から光が漏れてたんでしょうか?
ところで、パープルフリンジがあまり出ません。設計が良いんでしょうね、プラ製レンズのくせにやるな...
今回はスペリア400を入れていましたが、今思えば、せっかくロモグラフィーのカメラなんですから、ロモの変な写りのフィルムを入れてみても良かったですね。
しかしですね、令和五年の今、36枚撮りのカラーネガはどんなに安くても一本1400円。とてもじゃないですが、フィルムを選り好みして遊ぶのは小遣いの範疇外と言わざるを得ません。それどころか、このカメラに実用性を与えるiso400のフィルムとなると、それこそ2000円とかするんです。そういうわけでフィルムカメラはこの一度きりでやめにしました。
とりあえず楽しかったですよ。お金に余裕のある方はぜひ。