Nikon D70

 さあ、当ブログの記念すべき初投稿でございます。緊張するもんですね。

f:id:Shirauo:20240109214444j:image

 人生で初めて触ったカメラはこの子で、当時のいわゆる大衆向け一眼レフ。大衆向けと言ってもニコンです、手は抜きません。エントリー機としては非常に写りの良いカメラと言えます。母が美大生の時に買ったらしく、油絵製作の補助に使っていたそうな。レンズはキットレンズの18-70が一本だけで、写真に興味があったわけではないのでしょう。

 小学二年生のとある日、母に手を引かれて動物園に行きまして、このカメラを持たせてくれまして、本体とレンズと電池を全部合わせてほぼぴったり1kgですが、貧弱な少年の腕にはこたえます。その時初めてカメラを触ったものですから、シャッターボタンを奥まで押すなどというのは分からないし出来なかったのです。どんなのが撮れたのか母に見せろとせがんで、一枚も撮れてないと言われた時は泣きそうになったものです。

 そんな記憶を思い起こしながら、久々に母の部屋へ不法侵入して引っ張り出してきたD70。長年通電してなさそうで、こりゃ生きてないかと思いつつ、出てきたのはCFカード…なんだ?そりゃ。というのも当方はSDカード、いえ、もっと小さいMicroSDカードが普及していた世代ですから、コンパクトフラッシュなんてまるで見当もつかない代物です。

それで、幸運にもデータは揮発しておらず中の写真を見れたのですが、母の油絵製作に使われたであろう資料写真などはいっさい無く、幼き日の私。赤ん坊の頃から、多分小学生低学年くらいまででしょうか、まるで日記のようです。いそいでPCに落としましたとも。

f:id:Shirauo:20240109213736j:image

 ちょっと撮ってみたくなって、何年も開けてなさそうな棚をがさがさ掘っくり返して、充電器と説明書が出てきたのでこれで撮れるぞと思っていたのですが、出てくる写真がおかしい。胡散臭いやらせ番組の心霊写真のように色が滲みます。と思ったら今度は電源がつかない。

いろいろ調べて、どうやら突然死と呼ばれるD70では有名な現象らしいとわかって、随分がっかりです。サポートも当然切れてますし。

色んな意味で重たいカメラでした。

追記:分解して、どうにか電源が入るまでに回復はしましたが、当然撮れる写真はおかしいままです。それでどういうわけか分かりませんが、20枚くらい連写してるとだんだんぼんやり写ってきて、それから連射が途切れるまでだけしかっと映ります。CCDのアンプあたりが眠たくて、通電し続けると目が覚める感じなのでしょうか、素人にはわかりません。でもこの壊れ方はCCDにはよくあるみたいで、小惑星イトカワに行ったはやぶさ一号のCCDカメラの写真も、これと同様の壊れ方をしているみたいな、明部が滲むようなノイズが出ています。

f:id:Shirauo:20240109213610j:image

捨てるのも忍びないのでインテリアです。